マンション標準管理規約

マンション標準管理規約とは

マンション標準管理規約(まんしょんひょうじゅんかんりきやく)とは、国(国土交通省)が作成した、管理組合が各マンションの実態に応じて管理規約を作成・変更する場合に参考にするための標準モデルです。単に「標準管理規約」と呼ばれることが多いです。

この標準管理規約で示している事項については、マンションの規模、居住形態等それぞれのマンションの個別の事情を考慮して、必要に応じて、合理的に修正し活用することが望ましいです。 なお、別に定められる公正証書による規約と一覧性をもたせることが望ましいです。

標準管理規約は、マンションの個別事情に応じて、多少の内容変更が加えられることが想定されているものですが、トラブルの発生状況等から必要性が高く、また、個別事情に影響されにくく、どのマンションでも規定することが妥当と考えられる12項目については、全て標準管理規約と同趣旨の規定が置かれていることが必要です(「マンション管理標準指針コメント(二 管理規約の作成及び改正)」参照)。

管理規約に標準管理規約と同趣旨の規定が置かれる必要がある12項目

管理規約を作成・改正するに際しては、1~12の全ての項目について、標準管理規約と同趣旨の規定が置かれ、かつ、9~12については、使用細則等によりルールを定める必要があります(「マンション管理標準指針コメント(二 管理規約の作成及び改正)」参照)。

  1. 管理組合の業務
  2. 総会決議事項
  3. 管理費と修繕積立金の区分経理
  4. 修繕積立金の使途範囲
  5. 管理費と修繕積立金に関する納入義務・分割請求禁止
  6. 専有部分と共用部分の区分
  7. 敷地及び共用部分の管理
  8. 義務違反者に対する措置及び違反行為に対する勧告・指示等
  9. ペット飼育
  10. 駐車場の使用
  11. 専有部分修繕
  12. 共用施設の使用

マンション標準管理規約の種類

国は、マンション標準管理規約として、次の3つの類型のものを定めています。

  • 単棟型
  • 団地型
  • 複合用途型

それぞれの類型の対象となるマンションは、次の通りです。

単棟型の対象

単棟型の標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居専用の単棟型マンションで、各住戸の床面積等が、均質のものもバリエーションのあるものも含めています。

団地型の対象

団地型の標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンションで、団地内の土地および集会所等の附属施設がその数棟の区分所有者(団地建物所有者)全員の共有となっているものです。各棟および各住戸についてはその床面積、規模等が、均質のものもバリエーションのあるものも含めています。

複合用途型の対象

複合用途型の標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居・店舗併用の単棟型マンションで、各住戸、各店舗についてはその床面積、規模、構造等が、均質のものもバリエーションのあるものも含めています。

外部の専門家の活用

近年、マンションの高経年化の進行等による管理の困難化やマンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進んでおり、これらの課題への対応の一つとして、外部の専門家の活用が考えられます。

以前から、管理組合がマンション管理士等の専門家に対し、相談、助言、指導その他の援助を求めることについては規定してきましたが(単棟型標準管理規約では第34条に規定)、さらに進んで、外部の専門家が直接管理組合の運営に携わることも想定する必要があります。

このような外部の専門家には、管理の執行を担うという点から、特に、管理規約、管理の委託、修繕、建替え等に関する広範な知識が必要とされ、例えば、マンション管理士・弁護士等の国家資格取得者や区分所有管理士等の民間資格取得者などが外部の専門家として想定されます。

外部の専門家が管理組合の運営に携わる際の基本的なパターン

外部の専門家が管理組合の運営に携わる際の基本的なパターンとしては、次の3つが想定されます。

  1. 理事・監事外部専門家型または理事長外部専門家型
  2. 外部管理者理事会監督型
  3. 外部管理者総会監督型

この標準管理規約は、理事会を中心とした管理組合の運営を想定したものであり、管理規約において理事・監事の資格要件から組合員要件を外した場合には、1.理事・監事外部専門家型または理事長外部専門家型による外部の専門家の活用を可能とするように規定を整備しています。

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